配偶者の浮気が発覚したとき、「もう二度としないと書面で約束してほしい」「口約束だけでは不安」と感じる方は少なくありません。浮気誓約書は、浮気の事実や謝罪、再発防止、浮気相手との接触禁止、慰謝料などを文書に残すためのものです。ただし、感情的に作成してしまうと、内容が曖昧になったり、後から争いになったりする可能性があります。
この記事では、浮気誓約書に書く内容、使いやすいテンプレート、作成時の注意点、公正証書との違いまでわかりやすく解説します。
浮気誓約書とは
浮気誓約書とは、浮気をした本人が、浮気の事実を認めたうえで、謝罪や再発防止などを約束する書面です。
主に次のような内容を記載します。
夫婦関係を修復したい場合にも、離婚や慰謝料請求を考えている場合にも、話し合いの内容を残す意味があります。ただし、誓約書を作ればそれだけで問題が解決するわけではありません。内容や作成方法によっては、後から有効性を争われることもあります。
浮気誓約書を作る目的
浮気の事実を残すため
浮気をした本人がその場では認めていても、後から「そんなことは言っていない」と主張する可能性があります。そのため、浮気の期間、相手、行為の内容などを書面に残しておくことで、当時の話し合いを確認しやすくなります。
再発を防ぐため
「もう浮気しない」という口約束だけでは、何をしてはいけないのかが曖昧です。誓約書では、浮気相手との連絡、面会、宿泊、SNSでのやり取りなど、禁止したい行動を具体的に書くことが大切です。
慰謝料や違約金を決めるため
浮気によって精神的な苦痛を受けた場合、慰謝料について話し合うことがあります。また、再び浮気をした場合の違約金を定めるケースもあります。ただし、慰謝料や違約金の金額は、婚姻期間、浮気の期間、証拠の内容、夫婦関係への影響などによって異なります。金額を決める場合は、弁護士へ相談することをおすすめします。
浮気誓約書に書く主な項目
1. 当事者の情報
誰が誰に対して誓約するのかを明らかにするため、夫婦双方の氏名と住所を記載します。浮気相手の氏名が分かっている場合は、浮気相手の名前も記載すると、対象となる関係を特定しやすくなります。
2. 浮気の事実
浮気の事実は、できるだけ具体的に書きます。
例文:私は、令和○年○月頃から令和○年○月頃までの間、○○○○氏と交際し、配偶者としての信頼関係を損なう行為をしたことを認めます。
肉体関係を伴う不貞行為を認めている場合は、その内容が分かる表現を検討します。ただし、本人が認めていない内容まで無理に書かせると、後から争いになる可能性があります。
3. 謝罪
浮気によって配偶者に精神的苦痛を与えたことを認め、謝罪する内容を入れます。
例文:私は、上記の行為により配偶者に精神的苦痛を与え、夫婦間の信頼を損なったことを認め、謝罪します。
感情的な言葉を多く入れるよりも、何について謝罪しているのかが分かる文章にすることが大切です。
4. 再発防止
今後、同じような行為をしないことを記載します。
例文:私は、今後、配偶者以外の者と不貞関係を持たず、夫婦間の信頼を損なう交際をしないことを誓約します。
「怪しいことをしない」などの表現は、人によって解釈が変わるため注意が必要です。
5. 浮気相手との接触禁止
浮気相手との関係を終わらせたい場合は、接触禁止の内容を具体的に書きます。
例文:私は、○○○○氏との私的な電話、メール、メッセージ、SNS上の交流、面会、宿泊その他これらに類する接触を行いません。
同じ職場で働いている場合など、接触を避けにくい事情があるときは、次のように調整します。
例文:ただし、業務上必要な連絡については、必要な範囲に限るものとします。
現実に守れる内容にすることが、後のトラブルを避けるポイントです。
6. 慰謝料
慰謝料について合意している場合は、金額、支払期限、支払方法を記載します。
例文:私は、本件に関する慰謝料として金○○万円を、令和○年○月○日までに、指定された金融機関口座へ振り込む方法により支払います。振込手数料は私が負担します。
分割払いにする場合は、毎月の支払額、支払日、支払回数も書いておきましょう。
7. 違約金
再び浮気をした場合の違約金を定めることもあります。
例文:私が本誓約書に定める約束に反し、再び不貞行為をした場合は、違約金として金○○万円を支払います。
ただし、違約金が高額すぎると、後から争いになる可能性があります。金額は感情だけで決めず、弁護士へ確認しましょう。
8. 日付・署名・押印
最後に、作成日、住所、氏名、署名、押印を入れます。本文はパソコンで作成しても問題ありませんが、署名は本人が自筆で行うと、本人が署名したことを確認しやすくなります。
浮気誓約書のテンプレート
以下は、夫婦関係の修復を前提にした一般的なテンプレートです。実際に使う場合は、ご自身の状況に合わせて内容を調整してください。
浮気に関する誓約書
私、○○○○は、配偶者である○○○○に対し、以下のとおり誓約します。
第1条(浮気の事実)
私は、令和○年○月頃から令和○年○月頃までの間、○○○○氏と交際し、配偶者としての信頼関係を損なう行為をしたことを認めます。
第2条(謝罪)
私は、前条の行為により配偶者に精神的苦痛を与え、夫婦間の信頼を損なったことを認め、謝罪します。
第3条(関係の解消)
私は、○○○○氏との関係を解消し、今後、私的な電話、メール、メッセージ、SNS上の交流、面会、宿泊その他これらに類する接触を行いません。
ただし、業務上必要な連絡については、必要な範囲に限るものとします。
第4条(再発防止)
私は、今後、配偶者以外の者と不貞関係を持たず、夫婦間の信頼を損なう交際をしないことを誓約します。
第5条(慰謝料)
私は、本件に関する慰謝料として金○○万円を、令和○年○月○日までに、指定された金融機関口座へ振り込む方法により支払います。振込手数料は私が負担します。
第6条(違約金)
私が第3条または第4条に違反した場合は、違約金として金○○万円を支払います。
第7条(協議)
本誓約書に定めのない事項や、内容の解釈について疑義が生じた場合は、双方が誠実に協議します。
本誓約書の内容を確認したうえで、自由な意思により署名押印します。
令和○年○月○日
住所:
誓約者氏名: 印
配偶者氏名: 印
浮気誓約書を作るときの注意点
無理に署名させない
怒鳴る、長時間拘束する、脅すような言い方をするなどの方法で署名させると、後から「自由な意思で署名していない」と主張される可能性があります。書面を作るときは、相手が内容を読んで判断できる時間を設けましょう。
曖昧な表現を避ける
「今後気をつける」「不安にさせない」といった表現だけでは、何を約束したのか分かりにくくなります。
後から確認できる内容にすることが大切です。
高額すぎる違約金に注意する
再発を防ぎたい気持ちから、高額な違約金を設定したくなることもあります。しかし、金額が過大な場合、後から有効性や金額を争われる可能性があります。違約金を入れる場合は、弁護士へ相談しながら検討しましょう。
証拠を整理してから話し合う
浮気を問いただす前に、証拠を整理しておくことも大切です。相手に気づかれると、メッセージを削除されたり、浮気相手と口裏を合わせたりする可能性があります。証拠として整理したいものには、次のようなものがあります。
・ラブホテルへの出入りが分かる写真
・浮気相手の自宅へ宿泊した記録
・LINEやメールのやり取り
・SNSのメッセージ
・クレジットカードの利用明細
・レシート
・通話履歴
・行動記録
・探偵の調査報告書
メッセージだけでは、不貞行為を示す証拠として弱い場合もあります。複数の資料を組み合わせて、時系列で整理しましょう。
浮気誓約書と公正証書の違い
浮気誓約書は、夫婦間で作成する私的な書面です。一方、公正証書は、公証人が作成する公的な文書です。
| 比較項目 | 浮気誓約書 | 公正証書 |
|---|---|---|
| 作成者 | 当事者 | 公証人 |
| 作成場所 | 自宅など | 公証役場など |
| 費用 | 自作なら原則不要 | 手数料が必要 |
| 主な用途 | 事実確認・再発防止 | 金銭支払いの合意など |
| 強制執行 | 書面だけでは直ちに行えない | 条件を満たすと可能な場合がある |
慰謝料の支払いについて、相手が支払わない場合に備えたいときは、公正証書を検討する方法があります。ただし、「浮気相手と連絡しない」といった行動面の約束は、金銭支払いと同じように扱えるとは限りません。公正証書にする内容は、公証役場や弁護士へ確認しましょう。
浮気誓約書を作る前のチェックリスト
誓約書を作る前に、次の項目を確認しましょう。
・浮気の証拠を保存している
・浮気の期間を整理している
・浮気相手の氏名や連絡先を把握している
・夫婦関係を修復したいのか、離婚を考えているのか整理している
・慰謝料を請求するか検討している
・浮気相手との接触禁止の範囲を決めている
・違約金の金額が現実的か確認している
・相手が内容を読んで判断できる時間を設けている
・書面を夫婦双方が保管できる
・弁護士や探偵へ相談する必要があるか考えている
すぐに答えを出せない項目があっても問題ありません。不安が大きいときほど、証拠と状況を一つずつ整理することが大切です。
探偵に相談したほうがよいケース
次のような場合は、誓約書を作る前に探偵へ相談することも検討しましょう。
・配偶者が浮気を否定している
・浮気相手の名前や住所が分からない
・LINEやSNSのやり取りしか証拠がない
・慰謝料請求を考えている
・離婚も視野に入れている
・相手が証拠を消し始めている
・自分で尾行や張り込みをするのが不安
・話し合いで相手が感情的になりやすい
探偵の調査報告書は、日時、場所、行動の流れが整理されるため、弁護士相談や話し合いで状況を説明しやすくなります。調査が必要かどうかは状況により異なります。まずは今ある証拠を整理し、足りない部分を確認しましょう。
浮気誓約書に関するよくある質問
まとめ
浮気誓約書は、浮気の事実、謝罪、再発防止、浮気相手との接触禁止、慰謝料などを記録するための書面です。
作成するときは、次の点を意識しましょう。
・浮気の事実を具体的に書く
・曖昧な表現を避ける
・接触禁止の範囲を明確にする
・高額すぎる違約金に注意する
・相手に無理やり署名させない
・作成前に証拠を整理する
・慰謝料や離婚に関わる場合は専門家へ相談する
浮気誓約書は、夫婦関係を修復するためのきっかけになることがあります。一方で、証拠が不足したまま相手を問いただすと、その後の慰謝料請求や離婚協議に影響する可能性もあります。
現在ある証拠で足りるか分からない場合は、誓約書を作る前に探偵や弁護士へ相談することも検討しましょう。
